おかし展 作家紹介 sowgen brocanteさん

sowgen brocanteさん http://www.sowgen.com/brocante/category_new.html
京都で古道具屋さんをされています。

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「私とお菓子」  小泉 攝
幼い頃からお菓子に囲まれてきたと思う。いや、囲まれてきたというのはちょっと違う。
正確には日常だったというべきか。
僕の父親はキリスト教の牧師で、うちには来客が絶えなかった。にもかかわらず牧師の収入というのは会社勤めの一般家庭に比べるとずいぶん低く、来客をもてなすのは基本的に手作りのものだった。加えて4人兄弟で常に食欲旺盛な子供達の胃袋やこころを満たすため母はいつもキッチンで何か作っていたように思う。もともと母も食べることが好きで甘いものも好きだったのだろう。
おやつはいつも手作りで、所謂スナック菓子や駄菓子屋で売っているようなお菓子は口にすることがなかった。ドーナツ、蒸しパン、マフィン、クッキー、クリスマスにはシュトーレンやブッシュドノエル、アップルパイに、焼き林檎、みかんゼリーや牛乳カン、今のように生クリームをふんだんに使ったもの
は無かったが思い出すだけでも結構な数だ。( 子供心には駄菓子屋のお菓子が食べて見たかった! )
そんな母のこだわりでキッチンにはガスオーブンが必須で料理もお菓子もガスオーブンを使っていた。僕が十一歳で食物アレルギーが発覚してからは、いっそう手作りに拍車がかかり卵や牛乳、大豆製品を使わずにおやつを用意するのにかけていたように思う。常に創意工夫を繰り返し、失敗作も結構食べた。
そんなわけだから僕がお菓子に興味を持つのも、手作りのお菓子に惹かれるのも当然なのだろう。今思っても貧しいながら、手作りのお菓子にかけては恵まれていたと思う。お菓子を食べる喜び、作る喜び、作っている人をそばで見る喜び、お菓子を贈る喜び、お菓子の作り方を教える喜び、お菓子を取り巻くいろんな喜びが、カフェに訪れるお客様や我が子、その他大勢の人にたくさん伝わればいいな、と思う。

マドレーヌの型やゼリーの型......時代を超えた古き良きもの。
これからも大切に使っていきたいもの。
1点ものが多いので、お早めにご来店ください。



タケハラ | 戻る | 2014 04.27