7/20(土)津田貴司ワークショップ「みみをすます」

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津田さんのワークショップ「みみをすます」とサウンドパフォーマンスが来週開催されます。
僕は津田さん達との出会いによって、"音"がこんなにも生活を豊かにしてくれるのだということを教えてもらいました。(その体験は下記にありますので、よろしかったら読んでみてください。)
一昨年は7周年のイベントとして開催し、里山を散策しながら目を閉じて鳥の鳴き声にみみをすませ、音の世界を立体的に感じ取ったり、水のせせらぎにみみをすませ、水の質感を感じたり。主に作家仲間に参加してもらったのですが、とても新鮮な体験をしたと大変好評でした。ぜひこの機会に体験してみてください。

津田貴司ワークショップ 「みみをすます in 甲賀」 + サウンドパフォーマンス

2013年7月20日(土) mamma mia
14:00- ワークショップ「みみをすます in 甲賀」
17:00- サウンドパフォーマンス

[参加費]
ワークショップのみ、サウンドパフォーマンスのみのご参加の方・・・・1,500円
ワークショップ~サウンドパフォーマンスまで通しでご参加の方・・・・2,000円

[お問合せ・予約]info@mammamia-project.jp  /0748-86-1552

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「早朝のヒグラシ」

 僕は大阪で生まれ育ち、東京で大学生活を送ったので、街の生活音は当たり前のものであって、特に意識することもなかった。しかし就職して三重の里山で5年間過ごし、その心地よさを体感した後に、木工修行のため再び東京に住むことになった3年間の初めはとても苦痛を感じるものだった。家のすぐ側を走る車やバスの「グウオオー」という音や隣家から聞こえてくるテレビの音や話し声。歩行者の笑い声や時には怒鳴り声。しばらくすると慣れたが、家に居る時、常に音楽を流すのが習慣になったのはこの頃だったように思う。

 そして再び滋賀の里山で暮らすようになって9年。夜は時折遠くから聞こえてくる「こー」という車やトラックの音以外、ほとんど生活音は聞こえない。それに変わる環境音は豊かだ。鳥の囀り、虫の声。蛙の大合唱には閉口したが、やはりそんな音にもすぐに慣れて、意識することもなくなった。
 そうして3年前のある夏の日、あるアーティストがライブのため我が家に泊まりに来る。彼らは自然の音を採集してそれを自らの感性のフィルターを通して表現する人たちだった。ライブの後の夜、彼らと外に出て地べたに寝転んで、ただボーっと満天の星を眺めた。目を閉じると様々な虫の音、ほーほーとフクロウの声。鳥だか動物だかも分からない生き物も遠くで鳴いている。それらが頬を撫でる生暖かい風や背中から伝わってくる冷んやりとした土の感触とともに一体となって聞こえてくる。音を体で聞いた初めての出来事だった。
 次の日。朝起きると、僕にとっては当たり前になってしまって耳に入らなかった音が、また聞こえるようになっていた。蛙、鳥、虫、蝉。こんな朝早くにヒグラシが鳴いているなんて、ちっとも気づかなかった。

gallery-mamma mia 川端健夫


Takeo | 戻る | 2013 07.11