組み手

組み手1.jpg イスの組み手。組んでしまうと全く見えないところだが、こういうところを手を抜かずにやれるかどうか。実はもっと簡単な方法もあって、それは手間が1/5くらいでできてしまう。どちらの方法でもお店に並んでいる時点では見た目は全く変わらない。でも僕たちの工房では、やっぱりやらない。それはプライドだとかこだわりとか言う前に、そんなやりかたを採って、すぐ壊れたときのことを思うと、怖くてやれないのである。

*この組み手を組んだとき、中はどうなっているのか?「続きを読む」を。

組み手2.jpg  こんなふうに、中でピッタリと合うように組み手をつくると、組んだ時にしっかり強度が確保される。組み手はきつすぎても(組んでからもホゾは中で幾分膨らむのできつすぎると接着剤の入る隙間がなくなるし、ひどい時は材が割れる) 、緩すぎてもいけない。使う人が一生使い続けられるように。長年使ってガタついたとしても、組み手でしっかり作っておけば、腕のいい職人なら直すこともできる。未来の知らない職人が「いい仕事をしていますね」と言ってくれたら職人冥利に尽きる。



Takeo | 戻る | 2011 06.12